どんな人かというと、とってもかっこいい人デス。
ピアノもバイオリンもすごくって、指揮をしてる時はもう最高デス!!
粘着質でちょっぴり陰湿なところもありますケド、
ほんとはとっても優しい人デス。
料理が得意で洗濯もお掃除もプロ並みデス!!
あとはー……
意外と甘えん坊で寂しがりやさんデスネ。
−かわいい恋人−
今日は学校もなくて真一君のお部屋で読書中。
読んでいるのはプリごろ太最新版コミックス。
昨日ヨーコから届いた荷物の中に入ってました。
真一君が入れてくれたココアを飲みながら、夢中でページをめくっていると急に自分の横の空いた部分に
人の気配。
この部屋にはアパルトマンの住人がよく出入りしているけれど、今日はみんないない。
ってことは必然的にそこにいるのはこの部屋の主。
マンガを読み始めてから初めて顔を上げると、ひどくつまらなそうな顔をした真一君が
ソファーの背もたれに腕を置いてこっちを見てた。
さっきまで少し離れたところで総譜とにらめっこしていた人はいつ機嫌を損ねたのか
あまりご機嫌麗しいようではなさそう。
特に何か言って来るわけじゃないけど、目が不機嫌デスって言ってマス。
真一君フリークののだめにはそんなの一発でわかってしまいますよ。
それとも確信犯ですか??
「どしたんですか?」
とりあえず不機嫌の理由がわからないことにはどうしようもないので問いかけてみると、
別に…とそっけなく返された。
「オベンキョ終わったんですか??」
「あーまぁ…。」
「…暇なんですか?」
「…そんなわけねーだろ…。」
のだめの問いかけにムッとしてしまったようで少しきつめに眉を寄せた。
暇じゃないならなんでしょう??
少しだけ首を傾げるとなんだかバツの悪そうな顔。
そしてしばらく無言で向き合ってたらさらに苦虫を噛み潰したような顔になってプイとそっぽを向かれてしまいました。
ありゃりゃ。
これはなにか言いたいことがあるけど言えない時の真一君の癖デスね。
うーん。
ここは妻らしく言いたいコトを当ててあげたいんですが…
「真一君?」
「…何…、って…?」
とりあえず不機嫌そうなほっぺにチュウしてみました。
真一君はちょっとだけほっぺを赤くして驚いた顔でこっちを見てます。
チュウじゃなかったんですかね…?
うーん。
首をまた少し傾げてみる。
すると真一君は少しだけ咳をしてのだめに手を伸ばしてきました。
あ、やっぱ合ってた??
ぎゅ。
抱きしめられて、手から離れたプリごろ太の本が床に落ちました。
「あ…。」
手を伸ばそうとしたら拘束は強まって、ほっぺにキスされちゃいました。
「ど、したんですか?」
「…、から…。」
「ふぇ?」
ぎゅうと抱きしめられて首筋に顔を埋められて小さくささやかれた言葉に思わず口元が緩んでしまう。
「お前がこっち見ないから。」
ぷぷぷ。
のだめがかまってあげなかったからさびしんぼになっちゃってたんですね。
こんな姿、日本の峰くんたちがみたらきっとビックリしますよ?
ゆっくり腕を伸ばして柔らかな髪をナデナデしてあげると気持ちよさそうに擦り寄ってくる。
愛しい。
可愛い。
普段はクールで俺様でストイックなーんて言われるあなたがこんなにもかわいいって知ってるのはのだめだけの
特権ですよね?
他の誰にも見せちゃダメですよ?
のだめだけのかわいい恋人でいてくださいね。
甘えん坊なあなたを思いっきり甘やかして抱きしめてあげるから。
end