甘い匂いに目を覚ました。
暖かい柔らかなシーツの感触と守るように腰に回された逞しい腕の力。
そして大好きな匂い。

そっと手を動かして目の前の白いシャツを指で掴む。
顔を上げて見るとそこには愛しい人の寝顔があってまだ夢の中にいる彼はピクリとも動かなかった。

昨日眠る時にはいなかった人。
いつ来たんでしょう??

でも最近お互い忙しくてなかなか会えなかったから嬉しくて白いシャツに顔を埋めて頬を摺り寄せた。
煙草の匂いが混じる甘い匂い。
先輩はのだめが甘い匂いがするっていつも言うけれど、先輩だってとっても甘い匂いがする。
起きている時はなかなか嗅がせてくれないから今のうちにたくさん嗅いでおこう。
そうすればまたしばらく会わない間もきっと我慢できるはず。

すんすんと匂いを嗅いで暖かな腕と体温を感じていると腰に回されていた先輩の腕が不意に動いてのだめの背中を撫でた。
「ふあ?」
「んっ、…起きてたのか?」
びっくりして小さく声を上げると先輩の寝起きの声が振ってくる。
顔を上げると寝ぼけたような目でのだめを見つめる先輩がいた。

「目が覚めちゃったんデス。」
「へー。俺はまだ眠い。」
そう言って先輩はのだめをギュウッと抱きしめた。
「まだ起きないんデスカ?」
「うん。休みだし…。おまえもだろ?」
「ハイ。」
「じゃあ、まだいいだろ。」
そう言って額に口付けられた。

それだけでのだめはほにゃんと顔が緩んでしまう。

「昨日いつ来たんデスカ?」
「んー。2時くらい?」
「なんでここに?何してたんデスカ??」
「マルレの連中と飲んでたらなんか白熱しだしちゃって…。ここには…来ちゃダメだった?」
少し小さな声で囁くように聞かれる。

ダメだなんて思うはず無いデス。

「会いたかったデス。」
「うん。だから来た。」

それって先輩も会いたいって思ってくれてたって事デスヨネ?

ゆっくりと足を動かして先輩の足へと絡めると、先輩は器用に絡めとってくれる。
そして上半身も下半身もぴったんこ。
きっとお布団の外は寒いはずだけどここはこんなにも暖かで幸せ。

ゆっくりと先輩の顔が近づいてきて目元にキスされる。
「ふにゃ。」
「猫みたいな声だな。」
そう言って今度はほっぺに、唇に。

顔中にキスされる。

「キスいっぱいデス。」
「いいだろ?久しぶりなんだから。」
「いっぱいしてください。」
「うん。」
ひそひそと鼻の頭をくっつけて話す。
そして小さくクスクスと笑い合うとまた口付ける。
その繰り返し。

キスを繰り返しながらお互いの体に手を這わせて、先輩はのだめのパジャマに手を入れてくる。
「コラ。」
「何?」
「何じゃないデスー。うきゃっ、くすぐったいー。」
「そう?」
「きゃんっ。ダメですよー!」
ダメだなんて言いながら本気で止める気はない。
だって久々の触れ合いだから。
それを先輩もわかっているから止めることなくのだめの肌の上をあっちこっち撫で上げては嬉しそうに笑う。

「もう、お返しデス。」
そう言って先輩のシャツの裾から手を入れると暖かくて逞しい体を撫でる。
それに先輩は声を出して笑った。
「ばか、くすぐってーよ。」
「のだめもくすぐったいんデスヨー。」
そう言い合いながらお互いの肌を撫で撫でする。
先輩の手がそのうちのだめの胸の膨らみにたどり着いて手の中で揺らした。
「なんでブラなし?」
「んっ。寝る時つけると苦しいんデスヨー。」
そのままゆっくりと揉まれてきゅっと先輩に抱きついた。

「おっぱい好きデスカ?」
「好きだけど?」
「おっぱい星人〜。」
「その呼び方はヤメロ。」

ちゅっちゅっとキスしながら先輩に胸を触られて、のだめも先輩の肌を触る。
そのうちそれだけじゃ足りなくなってパジャマのボタンを外され、先輩のシャツをたくし上げる。
お互いの体にいっぱいキスをして小さな赤いシルシをたくさん付けた。

甘い甘い大好きな匂いに包まれながら。

最後には頭から2人してシーツを被って深く深く繋がってひとつになった。

それもゆっくりと優しく。
いつもみたいに激しさは無くて先輩はゆっくりと体をゆする。
それに合わせるみたいにのだめも小さく体を揺らした。

「今日はゆっくりデスネ?」
「いっぱい時間があるんだからいいだろ?」
「あんっ。今日一日このまま??」

 

「それもいいだろ?」

「はい。」

甘い甘い大好きな人の匂い。
それに包まれながら幸せな時間。

こんなにあなたが甘いのは、私があなたをとっても大好きだからでしょうか??

 

答えは決まってる。

end